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1回表、RUSHは無死二三塁から3番・正木のレフトへの当たりで三走が生還し1点を先制する

2回裏、死球で出た三塁走者を、7番・清水が内野ゴロでホームに迎え入れ、再びSENSHU CLUBが同点に追い着く

3回から登板したRUSH2番手・入江は、代り端簡単に二死を奪うも、そこから攻め込まれて2失点

3回裏、SENSHU CLUBは二死満塁から5番・市川が左中間へ鮮やかな2点タイムリー二塁打を放って遂に勝ち越しに成功

SENSHU CLUB先発・川田は最終回の二死満塁のピンチを見事に切り抜ける


出場4年で初のドーム進出を決めたSENSHU CLUBと、これが3年ぶり5度目のドーム進出となる2013年関西王者RUSHとが、ナゴヤドームを舞台に2017年度関西大会1部決勝戦を戦った。

試合は初回に共にエラー絡みで1点ずつを手にすると、続く2回にもまた同じように1点ずつを奪い合うなど、序盤はどちらが主導権を握るか分からない重苦しい展開。

しかし3回裏、SENSHU CLUBは打線がRUSH2番手・入江を攻め、二死満塁から5番・市川が2点タイムリーを放って、遂に勝ち越しに成功する。

その後は川田が走者を出しながらも粘り強いピッチングでRUSH打線を抑えて、2点のリードを守ったままゲームセット。

重い空気を鮮やかな一振りで振り払った市川の活躍で、SENSHU CLUBが関西1部初優勝に輝き、続く全国大会初出場を勝ち取った。





鳥肌が立った。3回裏のSENSHU CLUB5番・市川の決勝タイムリーである。

初回、2回と共に1点ずつを同じように奪い合ったことで、逆に重たい空気が漂う試合展開だったが、3回表にエース・川田がRUSH打線を初めて三者凡退に抑えると、これで明らかに空気が一変する。

直後にヒットや四球で二死満塁とし、ここで市川が左打席に入る。チームの監督を務める市川は、落ち着いた雰囲気のある大変穏やかな好漢だが、この場面、打席で鬼気迫る表情と共に凄まじいオーラを放つ。而してフルカウントから左中間へ渾身の決勝打。魂の籠った彼の見事な一振りは、まさに鳥肌ものだった。

40歳になるという市川と川田は、小学校の同級生とのことなので、三十数年の付き合いということになる。そこには固い固い絆があることは、想像に難くない。川田が抑えて、それに応えて市川が打つ。まるでドラマのような展開。長年の固い絆で勝ち取った、本当に見事な関西初制覇だった。







#13・市川監督(SENSHU CLUB):

『この日のために練習して来たので、結果が出せて良かった。接戦になると思ったが、うちはうまいこと全員でミスをカバー出来た。決勝タイムリーは、投手の球が速かったので、喰らい付いて打った。次の全国大会の相手はとても有名な強いチームなので、また全員で力を合わせて頑張りたいと思います。』

#29・川田投手(SENSHU CLUB):

『もう年も40歳なので、これが最後かも知れないと思い、精一杯死にもの狂いで投げた。今日のピッチングはこれ以上ない出来で最高。次の全国大会も、行けと言われればいつでも投げます。』

#1・本岡監督(RUSH):

『悔しくて言葉が出ない。自分達のミスを中心に、地に足が付いていなかった。いつも全国優勝まであと一歩二歩のところで達成出来ていないので、次こそはでもう一度出直したいと思います。』




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