（写真）５回に代打で登場し、値千金の決勝打を放った中央シャインズ・若林選手
シャインズ先発・松下は好投するも４回に先制を許す 中堅手・地蔵の強肩が光った 代打で登場し決勝犠飛を放った若林 ６回から登板した抑えの切り札・能津 関西王座復権を懸けた激突始まる 勝者がオレゴンズなら４年ぶり、中央シャインズなら２年ぶりの関西制覇となる。つまり勝った方が関西王座復権を手にする一大決戦が京セラドームで幕を開けた。 オレゴンズ石塚、４年前と変わらぬ好投 オレゴンズ先発マウンドは言わずと知れた大エース・石塚。後で聞くと「肘を痛めてドクターストップがかかっていた」と言う石塚は、この日痛み止めを打っての強行出場。それでも「執念で投げた」と言う言葉通り、予定の４回を実に気合いの籠もったピッチングで危なげなく無失点に抑え、４年前と変わらぬ流石の好投手ぶりを存分に見せ付けた。 ４回オレゴンズが待望の先制 対するシャインズ先発・松下も、力のあるボールを投げ込み３回まで打者を一人も出さない完璧な立ち上がりを見せる。ところが４回、一死から四球で初のランナーを背負うと、３番・近藤にセンター前に運ばれたちまち一死一二塁の大ピンチ・・・・・かと思いきや、すかさずセンター・地蔵が矢のような送球を一塁に放りセンターゴロを完成したから二死二塁。地蔵のあまりの強肩の前にオレゴンズの勢いが潰えたかに思われたが、ここで打席に入った主砲４番・合田が「まっすぐを狙った」と言う言葉通りストレートをドンピシャ振り抜くと、会心の打球はまたもセンター前へ。またまたすかさず地蔵が今度は三塁へ火の出るような送球をすると、サードを回ったばかりのランナー中西挟まれ、またも地蔵の肩の前に万事休す・・・・・かと思われたが、逆にここは中西が好走塁を見せ見事生還。すなわち合田の鮮やかなタイムリーでオレゴンズが待ちに待った先制点を手にする。 ５回オレゴンズさらに攻める 勢いに乗ったオレゴンズは、続く５回も今度は代わったシャインズ２番手・島田を攻め立て二死一二塁の好機を作る。ところがここは島田の気迫のピッチングの前に要所を三振に抑え込まれ、この回は得点ならず。そしてその裏オレゴンズも継投に出る。 ５回中央シャインズ意地の逆転 反撃したいシャインズ打線はすぐ裏、代わったばかりの２番手・深山に猛烈に襲いかかる。先頭の６番・植田が見事に粘って四球をもぎ取ると、その後は四死球やダブルスチール連発などで一死二三塁と絶好機を作る。ここで打席に代打・若林登場。過去２回先発投手としてMVPを受賞したこの男が、こちらも故障を理由に打者としてこの大局面で姿を見せると、見事センターに大きな犠牲フライをキッチリ打ち上げ遂にシャインズが同点に追い付く。さらに四球やワイルドピッチなどでもう１点を加え、すなわちこの回シャインズが意地の逆転に成功する。 中央シャインズが関西王者奪回 逆転したと見るや、直ぐさまシャインズは６回から３番手として抑えの切り札・能津をマウンドに送ると、この能津が危なげなく２回を抑え、最後のバッターを空振り三振に打ち取ってゲームセット。中央シャインズが見事な逆転勝利で２年ぶりの関西王者の座に輝いた。 ４回無失点と流石の好投を見せたオレゴンズ先発・石塚 ４番・合田が４回に鮮やかな先制タイムリーヒットを放つ 中西が好走塁で先制のホームを踏む ５回から２番手としてマウンドに上がった深山
試合後のインタビューに応える小林監督（左）と若林選手（右） この日オレゴンズ投手陣の前に打線が無安打に抑え込まれたシャインズだが、それでも足を絡めて５回一気に逆転をもぎ取った様は流石だった。この日、噂の土屋が姿を見せず、主将の田浦も欠場、エース・若林も故障で投げられないなど多くの不安を抱えながらの優勝となっただけに、万全の状態で全国を迎えればもはや２年ぶりの全国制覇も大いに期待出来そうである。 試合後のヒーローインタビューには、もはや恒例の組合せとなった小林監督と若林選手のペアが呼ばれた。 （小林監督）「（２年ぶりの優勝の気持ちは）素直に嬉しいです。今日は松下が良いボールを放ってくれた。最後逆転してから能津を出してようやく安心出来たが、苦しい試合だった。（勝利のポイントは）気合いです。（今後の目標は）関西の代表として全国大会で恥ずかしくない試合をして是非優勝したい。（スタンドに）本当になかなか点も入らず苦しいゲームでしたが、皆さんの応援があったからこそ何とか勝利出来ました。有難う御座いました。」 （若林選手）「今日自分は何もしてないが、見ての通り皆で作ってくれたゲーム。（決勝打の直前に）エンドランを空振りしたので、自分としては納得していないが、それでも結果的にはあれで同点に追いつけて良かった。（打席での気持ちは）心の準備は出来ていたので、良い緊張感を持って打席に立てた。（今後の目標は）次全国があるので、チーム全員で頂点を掴みたい。（スタンドに）今日はなかなか見ててドギマギするような試合だったと思うが、皆さんの日頃からの応援のお陰です。必ず全国でも優勝しますので、またご支援宜しくお願いします。」
「エースの石塚が肘を故障しながら良いピッチングをしてくれた」と頼れるエースを手放しに誉め上げたオレゴンズ・足立監督は、「大差が付く試合と予想していたが良いゲーム内容だった」と振り返った。実に見事な接戦故に、あまりに惜しい形で準優勝となったオレゴンズだが、それだけに次回リベンジ優勝への期待は高まるばかりだ。４年前のドーム出場時に纏っていた赤のユニホームから大きく姿を変えた彼らだったが、何より４年前と何ら変わらぬ好チーム健在ぶりがとにかく嬉しかった。
この日は打者としてチームの勝利に貢献した中央シャインズ・若林選手が前々回全国大会に続く自身三度目のMVPを受賞した
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